土でできた鋳型(左)。右は把頭飾の模型=福岡県春日市
弥生時代の銅剣につける把頭飾(はとうしょく、柄〈つか〉飾り)を作ったとみられる土製の鋳型が、福岡県春日市の須玖(すぐ)タカウタ遺跡で見つかった。市教委が25日発表した。国内初の確認で、日本列島で金属器生産が始まった当初から独自の高い鋳造技術を持っていたことを示すという。
鋳型は長さ3・5センチ、幅2・6センチ、厚さ2・7センチ。弥生中期前半(紀元前2世紀ごろ)のもので、建物跡の中から見つかった。土でできており、青銅を流し込んで製品を鋳造したとみられる。市教委によると全体の6分の1ほどの残り具合だが、形状から把頭飾の可能性が強いと判断した。熱を受けて黒く変色しており、実際に使われたらしい。
弥生の銅剣は権威の象徴で、朝鮮半島に由来を持つ。把頭飾は柄の先端を飾る部品で石製と青銅製があり、青銅製は鋳型で製作した。複雑な形から、ろうの原型と土の鋳型を使ったと想定されてきたが、それを証明する鋳型の確認例はなかった。今回の出土で、把頭飾が国内で製作されていたことがはっきりした。
弥生時代の青銅器に詳しい柳田…