ホワイトハウスでの鴻海精密工業の工場投資の発表後、手を振るトランプ米大統領。右は鴻海の郭台銘会長=AP
トランプ米大統領は26日、シャープの親会社、鴻海(ホンハイ)精密工業(台湾)が、米中西部ウィスコンシン州で100億ドル(約1・1兆円)超を投資し、液晶パネル工場をつくると発表した。トランプ氏はホワイトハウスでの式典で「米国の労働者と製造業にとって偉大な日だ」と語り、雇用再生をアピールした。
米政府によると、新工場の投資は3千人の雇用を生み、将来は1万3千人に増える可能性があるという。鴻海による米国での工場建設は初めて。米国では、鴻海の郭台銘会長が今年4月にホワイトハウスを訪問したことが報じられており、米政府と同社が数カ月かけて投資について協議してきたという。
式典には鴻海の郭会長のほか、昨年の大統領選で共和党の候補者指名争いに立候補した同州のウォーカー知事、同州選出のライアン下院議長も同席。トランプ氏は「私が大統領に選ばれなければ、彼は100億ドルも投資しなかっただろう」と自賛した。鴻海は米アップルのiPhone(アイフォーン)などの組み立てを手がけている。(ワシントン=五十嵐大介)