兵庫大会 明石商―神戸国際大付 一回裏神戸国際大付2死一塁、右越え2ランを放ち、ベースを巡る猪田=明石トーカロ、小俣勇貴撮影
(28日、高校野球兵庫大会 神戸国際大付4―0明石商)
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兵庫大会で、神戸国際大付が春夏連続での甲子園出場を決めた。決勝で最も輝いたのは、4番で捕手の猪田だ。
一回2死一塁。来た球を引きつけて振り抜いた。打球は逆方向の右中間へ伸び、スタンドに消えた。今大会4本目となる先制2ラン。「自分のポイントで打てた。右手にいい感触がきた」。手応えばっちりの一打だった。
選抜は初戦で東海大福岡に1―2で敗退し、自身は無安打。4番として責任を感じた。それまで持っていた飛距離へのこだわりを捨て、打点を重視してきた。この打席も、一塁走者をかえすために外野手の間を狙っていた。はからずも柵を越えたが、「やってきた成果がでました」。
春、もう一つ後悔があった。同点の九回、守りのミスが相次いでサヨナラ負けを喫した。
この日は守りが光った。四回無死一塁、牽制(けんせい)球で飛び出した走者をアウトに。五回には二盗を阻止。いずれも味方の失策で出した走者だった。
「春、ああいう負け方をして悔いを残した。夏の甲子園じゃないと、その悔いは晴らせないと思ってきた」と猪田。課題を克服して、悲願をかなえた。
決勝は2打数2安打3打点。捕手としては、エース岡野を完封に導いた。そんな攻守の要は、お笑い芸人の「あばれる君」に似ていると、周囲からいじられる。「写真で並べて見ると似ているなとも思うけど、そんなに……」。ただ、そう呼ばれることが嫌いではない。「この勢いのまま、戦っていきたい。目標は日本一です」。夏の甲子園でも、“あばれる”つもりだからだ。=明石トーカロ(小俣勇貴)