大きな屋根が焼け落ちたアパート=22日午前9時20分、秋田県横手市南町、朝日新聞社ヘリから、相場郁朗撮影
秋田県横手市で未明に発生したアパート火災は、周辺の家屋に燃え広がり、約5時間後に消し止められた。ただ3人が命を落とし、2人の安否が分かっていない。入居者は高齢者が多く、生活保護を受けている人もいた。
アパート火災3人死亡、2人安否不明 10人けが 秋田
2階の居室から避難した男性(70)は「午前1時10分ごろ、火災警報器の音で目覚めた。部屋のドアを開けると、廊下から煙や火の粉が入ってきた。『熱い』という声もどこからか聞こえてきた。廊下に出られず、裸足のまま窓から飛び降りて逃げた」と出火当時を振り返った。
約20年間、このアパートで暮らしているといい、「みんな仲間だ。1階の食堂で顔を合わせて、たまに部屋に遊びに来た」。男性によると、アパートは1、2階の廊下にそれぞれ消火器があり、出火当時、2階は火災警報器が作動したという。アパート内は玄関に灰皿があるだけで室内は禁煙だといい、「2階の端の部屋から火が出たようだ。でも、火の気はなかったはず。漏電でもしたのではないか」と話した。
このアパートの入居者は病院のデイケアや生活訓練を受けながら働いたり、生活保護を受けたりしている人が多いという。
1階の真ん中ほどの部屋の男性(55)は午前1時ごろ、テレビを見ていると火災警報器が鳴り、ブレーカーが落ちた。廊下に出ると煙が充満し、「早く逃げれー」と声がした。2階への階段から火の手が見え、反対側の非常口から逃げた。またたくまに燃え上がり、手のつけようがないほどになったという。男性は生活保護を受けており、普段は軽作業をして働いている。
1階の入り口近くに住む男性(73)は「物音で目が覚め、部屋の戸をあけると煙が充満していた。煙で苦しかったが、そのままスリッパをはいて逃げた」と話した。この男性も生活保護を受けているといい、1年ほど前に入居した。居室は6畳一間で、テレビと押し入れがあるという。
けがをした入居者は、複数の病院に搬送された。このうち、横手市の平鹿総合病院には男性3人が運ばれたが、1人は朝方、病院から出てきた。残る60代と70代の計2人は入院中。いずれも重体で予断を許さないとしている。
現場近くの民家に住む柴田実さん(85)は午前1時5分ごろ、「パチパチ」という音で火事に気づいた。窓の外が真っ赤になっていた。窓を開けると、アパートの長い建物全体が火に包まれていたという。
◇
横手署によると、死者・行方不明者の名前は次の通り。
千田亮司さん(58)▽真田茂さん(61)▽山本昭太郎さん(78)▽佐藤忠実さん(62)▽菅原真作さん(58)