初代チャンピオンを目指す女子日本代表の選手たち。左から小野あゆみ内野手、金満梨々那捕手、橘田恵監督、吉井温愛主将、姫野真由投手=29日、東京都内で
「男子の野球に負けるな!」。カナダで9月1日から開かれる野球のU18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)に清宮幸太郎選手(東京・早稲田実)や中村奨成選手(広島・広陵)らが出場して注目が集まる中、女子野球でも高校生による日本代表チームが編成された。香港で開催される第1回女子野球アジアカップ(9月2日開幕)に出場し、初代チャンピオンを目指す。
日本の女子野球は世界の強豪で、W杯で現在5連覇中。新設されたアジアカップはフル代表による国際大会だが、日本は、若い世代に国際経験を積ませるため高校生でチーム編成した。台湾、韓国などがライバルとなる中で、日本は優勝候補の筆頭だ。
今回の「侍ジャパン女子日本代表(マドンナジャパン)」は20人で、6月にチーム編成され、これまで3度の合宿を行ってきた。吉井温愛(はるえ)主将(大阪・履正社=3年)は「この20人で野球ができて楽しい。みんな元気いっぱい。日本の高校生はこんなにレベルが高いということを大会で見せたい」と抱負を語った。
競技人口が増加しているという女子野球。ハンドボールのU16日本代表に選出経験のある小野あゆみ選手(埼玉栄=2年)は「周囲からはハンドボールを続けることを勧められました」という。「でも、野球の代表に入ることが小さい頃からの夢で、どうしても野球をあきらめられなかった」と野球への情熱を語った。
姫野真由投手は、今夏の全国高校野球選手権大会で優勝した埼玉・花咲徳栄の3年生。同校エースでU18日本代表にも選ばれた清水達也投手の投球練習もよく見ていたといい、「迫力があって、尊敬している。自分も負けられない」と話した。
マドンナジャパンで初の女性監督となった橘田(きった)恵監督(大阪・履正社)は「圧倒的強さを見せつけたい。同時に、アジアへの女子野球の普及に貢献したい」と抱負を述べた。大会は日本、韓国、台湾、香港、インド、パキスタンが出場し、総当たり戦で争う。(吉村良二)