コンゴ民主共和国(旧ザイール)で政府側兵士から性的暴行などを受けたとして、難民申請中の30代女性が今年3月、東京入国管理局の難民審査で、難民審査参与員から「美人だったから狙われたのか」との不適切な質問を受けたとして、代理人弁護士が東京入管に抗議したことがわかった。
代理人の小田川綾音弁護士によると、女性は同国の反政府勢力メンバーで、政府側の兵士から性的暴行を受け来日。2012年に難民申請をしたが不認定とされ、異議申し立てをしていた。
難民審査参与員は、法律や国際情勢の有識者から選ばれ、難民不認定の異議申し立て手続きの審理に参加し、法相に意見を述べる。女性の審理には小田川弁護士らも同席したが、審理内容を記録した調書にこの発言が載っておらず、東京入管に調書の訂正を申し入れ、抗議したという。
上川陽子法相は1日、閣議後の記者会見で「難民認定申請者の代理人の弁護士から指摘を受けたことは承知している。入国管理局で事実確認をしている最中で、迅速に対応するようにと指示をした」と述べた。(小松隆次郎)