党代表選の投開票を前に、記者団の取材に答える枝野幸男氏=1日午前10時35分、東京都港区、中崎太郎撮影
民進党は1日午後、東京都内のホテルで開く臨時党大会で党代表選の投開票を行い、新代表を選出する。前原誠司元外相(55)と枝野幸男元官房長官(53)との一騎打ちは、前原氏が終始優位に戦いを進めた。新代表は午後に記者会見する。
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郵便投票で先月30日に締め切られた党員・サポーター票(22万8753人)と地方議員票(1543人)の開票作業が1日未明に始まるなか、両陣営は投票直前まで態度を決めていない国会議員らへの働きかけを続けた。党大会では、前原、枝野両氏が最後の演説を行った後、国会議員と国政選挙の公認候補予定者が投票し、新代表を決める。
前原氏は同日午前、臨時党大会の会場内で、「あの時が実は日本の政治が変わるきっかけになったと言われるような日にしたい」と記者団に話し、「新たな社会をみんなでつくっていく一体感、使命感のある党にしたい」と意欲を示した。
枝野氏も会場内で記者団に囲まれ、「代表を代える選挙ではなく、党全体が生まれ変わる気持ちで臨まなければならない」と指摘。「この党をどんな立場でもしっかりと前に進めるために全力を尽くす。反転攻勢のスタートの日になる」と話した。
代表選は先月21日に告示され、両氏は1週間余りにわたって論戦を展開。共産党などとの野党共闘のあり方をめぐり、前原氏が見直しを表明し、幹事長時代に共闘路線を敷いた枝野氏が維持を主張した。野党再編には、前原氏が前向きな姿勢を示し、枝野氏が否定的な見解を繰り返した。
政策面では、そろって社会保障の充実を主に主張。ただ、2019年10月の消費税率10%への引き上げについて、前原氏が容認したのに対し、枝野氏は反対を明言した。安倍晋三首相が意欲を示す憲法改正では、前原氏が党の憲法論議に積極姿勢を示したほか、原発ゼロ政策をめぐり、枝野氏が年内に工程表を明示する考えを強調した。