日本原燃の六ケ所再処理工場とウラン濃縮工場(いずれも青森県)で先月、未点検が原因のトラブルが相次いで発覚し、原子力規制委員会は6日の定例会で、点検を怠ってきた管理体制を厳しく批判、詳しく報告するよう事務方に求めた。
原燃によると、再処理工場では先月13日、非常用発電機がある建屋に雨水約0・8トンが流入した。発電機に影響はなかったが、別の場所を14年前から毎日点検していた取り違えが発覚した。濃縮工場では天井裏の排気ダクトが腐食。運転を始めた25年前から一度も目視点検していなかったという。原燃はウラン製品の生産を一時停止した。
原燃については保安規定違反の対応をめぐる虚偽報告問題の再発防止策が3月に了承されたばかり。規制委の更田豊志委員は「特に再処理工場の未点検は重い」と指摘。大詰めを迎えていた再処理工場の審査の行方は見通せなくなった。(川原千夏子)