インタビューに答える河野太郎外相=17日、ニューヨーク、土佐茂生撮影
河野太郎外相は17日、国連総会出席のため訪れた米ニューヨークで朝日新聞の単独インタビューに応じ、核兵器・弾道ミサイル開発を進める北朝鮮について、「今は圧力のとき」として国連安全保障理事会で決議した制裁の徹底が必要と訴えた。制裁のかぎを握る中国の対応に変化が見えるとし、効果に期待も示した。
北朝鮮は3日に6回目の核実験を行い、国連安保理は11日、石油の対北朝鮮輸出制限を初めて盛り込んだ制裁決議を採択した。だが、北朝鮮は国際社会の制止に耳を貸さず、その後も弾道ミサイルを発射。有識者の間などで、制裁では北朝鮮の開発計画を止められないという悲観的見方も広がりつつある。
これに対し、河野氏は「安保理決議は初めて石油に手をつけた。きちんと履行すれば外貨収入の9割を(制裁対象として)カバーする。外貨収入や石油に相当インパクトがある」と反論。「一週間で効果が出るかというとそういうわけではないが、じわじわと効いてくることになる」との見方を示した。
また、「今はきちんと国際社会全体で北朝鮮に圧力を最大限かけるときだ」と強調。安保理ではロシアなど一部理事国から国連事務総長の仲介を求める声も出ているが、河野氏は「全く考えていない。対話のための対話をやっても意味がない。北朝鮮に時間を与えるだけだ」と反対を表明した。
北朝鮮に対する制裁決議は今回で9回目だが、制裁の履行には北朝鮮の最大の貿易相手である隣国の中国の動向が大きく影響する。
河野氏は北朝鮮の核実験が、中国が開いたBRICS首脳会議の開幕式当日だったことなどから、「中国も相当腹に据えかねている」と指摘。安保理は今回、制裁決議を約1週間でのスピード採択にこぎつけたが、河野氏は「少し中国が強く出るようになってきているんじゃないか」と中国の対応に変化が出ているとの分析を示した。
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