合流初日となった2日はあいにくの雨、軽く体を動かしたDF吉田
サッカーの日本代表では不動のDF吉田麻也が、所属クラブのサウサンプトンでは厳しい先発争いにさらされている。吉田のポジションには今季もオランダ代表DFフートが加入。センターバックではチーム最多の6試合で先発しているが、予断を許さない。
「(10月中旬に)代表から帰ってきて、(先発から外れるのは)俺じゃないかな」。9月30日のストーク戦後、今季、初得点を挙げたにもかかわらず、吉田は危機感をあらわにした。
この試合で、オランダ代表DFファンダイクが先発に復帰。ファンダイクは夏の移籍市場ではビッグクラブ行きの話が何度も出た中心選手だ。ファンダイクのほかにフート、21歳以下イングランド代表のスティーブンスも控える。これまでもポルトガル代表DFフォンテ(現ウェストハム)やクロアチア代表DFロブレン(現リバプール)らと競争してきた。「毎日、無理してもやらないと、ここでは生き残っていけない」と痛いほど競争の厳しさはわかっている。
1日から、国際親善試合に向けての日本代表合宿が始まった。吉田も招集された。長距離移動は日本代表の海外組の宿命だが、現状では、代表活動期間後の試合で、日本から戻った選手がそれまで先発していても外れる例が少なくない。岡崎慎司が所属するレスターのラニエリ監督(当時)はかつて「代表から帰ってくると、『岡崎の弟』がプレーしている」と、コンディションを崩すことを懸念していた。
当落線上の選手はともかく、W杯アジア最終予選の全試合に先発した吉田の実力はハリルホジッチ監督も十二分に承知しているはずだ。「あまり出ていなかった選手に機会を与えたい」とするなら、招集しない選択肢もあったかもしれない。世界最高峰のイングランド1部でポジションを取ることこそが、監督の言う「フィジカル、メンタル、戦術全てでのレベルアップ」につながる。(ストークオントレント=河野正樹)