「なぜ今解散総選挙なのか?」を話し合う高校生たち=東京都杉並区の都立西高校
選挙権年齢が18歳以上になって初めての衆院選を前に、政治の生の動きを高校の「主権者教育」に生かす取り組みが注目を集めている。模擬選挙で実在の政党名を書いてもらうなど「リアルさ」を追求し、参加意識を高めようという学校も出ている。
特集:2017衆院選
都立戸山高校(新宿区)は20日、比例東京ブロックの模擬投票を行う。約1千人の1~3年生が参加対象で、生徒が実際の選挙公報や新聞記事、インターネットなどで情報を集め、政党名を記入する。公民科の高橋朝子教諭(54)は「政策について理解を深め、政治に関心を持ってもらいたい」と狙いを話す。
投票所となる教室には選挙管理委員会から借りた投票箱や記載台を置き、受付役の生徒が座る。衆院選が終わってから開票し、実際の結果と合わせてプリントにまとめ、生徒に振り返ってもらうようにする。
立命館宇治高校(京都府宇治市)も3日から、比例近畿ブロックを想定した模擬投票をした。若者の政治参加を促すNPO法人「Mielka(ミエルカ)」と生徒有志が主体の企画。投票をした藤本稔文君(18)は「授業で習ったことを生かし、実際の選挙にも行きたい」。同校の杉浦真理(しんり)教諭(54)は「社会が動くときこそ、未来がどんな社会になるかを考え、政治を動かす主体に育ってほしい」と語る。
「模擬選挙推進ネットワーク」によると、同様の模擬選挙を実施、または予定している高校・中学は少なくとも26校ある。ただ、選挙に向けた動きが急だったため事前学習が間に合わず、実施が難しい学校もあるという。若者と政治をつなぐ活動をしているNPO法人「Youth(ユース)Create(クリエイト)」の原田謙介代表(31)は「政治が今、動いていることは高校生だって感じている。そんなときに主権者教育で扱わないのはもったいない。投開票後でも構わないので、学校は今回の選挙を題材として主権者教育に取り組んでほしい」と呼びかける。
選挙や政党について考えてもら…