刈り取りを目前にした田んぼを背に、第一声を発する自民党の安倍晋三総裁=10日、福島市、林敏行撮影
■安倍晋三・自民党総裁(63) 党首がゆく
「愚直」。10日公示された衆院選で、安倍晋三が意識的に多用する言葉だ。
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11日、静岡県のJR焼津駅前で行った街頭演説でも、「愚直に、誠実に、真っすぐに政策を訴えていく」と強調。核・ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力強化や全世代型社会保障の実現を訴えた。演説後、聴衆とハイタッチしていると「うそつきの政治家はいらない」との声が飛んだ。
「正直すぎて気のきかないこと。馬鹿正直」(広辞苑)。政権復帰後、初の「守りの選挙」を迎えた安倍が「愚直」を連呼するのは二つの意味合いがある。
一つは、小池百合子・東京都知事が立ち上げた希望の党に対抗するため。空中戦で話題をさらう「パフォーマンスの希望」に対し、地道に政策を訴える「愚直な自民」との図式に持ち込む戦略を描く。
もう一つは、自身に対するマイ…