記者会見に臨んだ日本代表の稲葉篤紀監督(左)、台湾代表の洪一中監督(中)、韓国代表の宣銅烈監督(右)
「ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ」(11月16日~19日、東京ドーム)に出場する日本、韓国、台湾の代表監督が12日、東京都内で記者会見を開いた。日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督(45)にとっては初陣となる大会。中日で抑え投手として活躍した韓国代表の宣銅烈(ソンドンヨル)監督(54)も、7月に就任してから初の国際試合となる。
侍J、オコエら25選手発表 稲葉監督初陣のアジア杯
大会は3カ国・地域のプロ野球リーグ主催で新設された。4年に一度の開催予定で、今回の参加資格は24歳以下またはプロ3年以内の若手選手。オーバーエージ(OA)枠で3人が出場できる。各代表チームにとっては若手選手の国際経験の場で、2020年の東京五輪へ向けたスタートの位置づけとなる。
今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、日本は準決勝で敗退した。3年後の五輪では若い力の台頭は不可欠だ。今大会でWBCメンバーは一人も選出されておらず、稲葉監督は「(若手選手に)経験と自信を植え付けたい」と語る。
五輪開催国ですでに出場権がある日本とは違い、韓国と台湾は東京五輪へ出場するために予選を勝ち抜く必要がある。韓国、台湾とも3月のWBCでは1次リーグ敗退。特に韓国はWBC2大会連続で1次敗退となり、宣銅烈監督は代表立て直しの期待を背負っている。宣銅烈監督は今回、選手選考にオーバーエージ枠を使わなかった。多くの若手選手に国際経験の機会を与えるためで、「今大会のチームから5人以上は五輪代表チームに入って欲しい」という。
一方、台湾の洪一中(ホンイージョーン)監督は、巨人の陽岱鋼(ヨウダイカン)外野手(30)らベテランをOA枠で選び、チームの中軸に据える。「五輪へ向けて非常に大事な大会。今大会を活用して若手選手の技術向上、メンタル強化を図りたい」と語る。
1996年から99年まで中日で通算98セーブを挙げた宣銅烈監督は、日本について「投手の制球がよく、打者の能力も高い。きめ細かい野球をやる」と高く評価。大会へ向けて「アジアの未来を担う選手たちの大会。いい試合をしたい」と抱負を語った。稲葉監督は「宣銅烈監督とは現役時代に対戦したが、打ったことがなかった。また戦えることがうれしい」と笑顔をみせた。
大会は11月16日に日本―韓国で開幕し、17日に韓国―台湾、18日に台湾―日本。19日に上位2チームによる決勝が行われる。(吉村良二)