大阪地検特捜部の主任検事(当時)による証拠品の改ざん事件で犯人隠避罪に問われ、執行猶予付きの有罪判決を受けた元特捜部長の大坪弘道氏(64)が、大阪弁護士会に弁護士登録を申請した。関係者への取材でわかった。
大坪氏は2010年10月、郵便不正事件をめぐりフロッピーディスク(FD)のデータ改ざんを隠したとして当時の特捜副部長とともに犯人隠避容疑で逮捕、起訴された。公判では一貫して無罪を主張したが、一、二審はいずれも懲役1年6カ月執行猶予3年の有罪判決で、上告せず13年10月、判決が確定した。
弁護士法は、刑事事件で有罪判決を受けても、執行猶予期間が終われば弁護士になる資格を回復すると定めている。関係者によると大坪氏の執行猶予期間は昨年10月に満了し、今年9月下旬に申請があった。
これを受け、大阪弁護士会の常議員会が弁護士法に基づき、会の秩序や信用を害さないかや、弁護士として適正に職務を行うことができるかなどを審査する。登録妥当と認められれば、年内にも日本弁護士連合会に通知され、日弁連でも同様の審査を行い、最終的な登録の可否が決まる。