六回裏ソフトバンク無死、内川は左越えに本塁打を放つ=長沢幹城撮影
(21日、ソフトバンク4―3楽天)
タカ逆転勝ち、日本Sに王手 パ・リーグCS第4戦
ソフトバンク内川、CS4試合連続弾 同一ステージで初
主将の気迫が劣勢を跳ね返した。1点を追う六回無死。ソフトバンクの4番内川は楽天・宋家豪の151キロを「完璧」に捉え、左翼席に同点弾。CS同一ステージで初となる4戦連続アーチで流れを引き戻すと、5番中村晃が2者連続弾で続き、一気に逆転した。
大事な短期決戦で、CSで2度のMVPを獲得した内川の価値ある一発が続いている。初戦は相手守護神の松井裕から、2戦目は胸元の球に反応する技ありのソロ。前日はカーブを運び、CS通算22打点もパ・リーグ記録を更新中だ。「欲も何も無いのがいいのかもしれない。王会長はいつもこんな感じで打っていたんだろうな」と本人も驚き、工藤監督は「神懸かっている」とうなった。
7月下旬に左手親指の骨折で離脱。復帰はリーグ優勝決定後になった。「日本一になるチャンスを作ってくれたみんなに恩返ししたい」。急ピッチで打撃の微調整を続け、CS前の紅白戦後も若手に交じって特打で打ち込んだ。「毎日が誤差との闘い。(当たる所が)1ミリ違えば、結果は全く違う。今はバットがしっかり(ボールに)入っている」。この日観戦に訪れ、大分工高時代に監督として指導した父・一寛さんは「しっかり軸を作って回転できている。首位打者をとったときのイメージに近い」と感心した。
「去年(CSで)負けてから日本一になることだけ考えてきた。もう一つ勝つまで全力でやる」と内川。この勢いのまま2年ぶりの日本シリーズへ突っ走る。(甲斐弘史)