後半、パナソニックのWTB山田(中央)が相手のタックルをかわし、突破する=増田啓佑撮影
ラグビーのトップリーグ(朝日新聞社後援)は21日、第9節の6試合があり、全勝同士だったパナソニックがサントリーを21―10で破り、開幕9連勝。昨季王者のサントリーは、昨年から続いていた日本選手権を含む公式戦の連勝が28で止まった。東芝がサニックスを下して4連勝。
昨季、全勝優勝した王者サントリーを、どう止めるか。パナソニックは組織的な防御に活路を見いだした。
あっという間に攻守が入れ替わった。11―10の後半21分、ハーフライン付近で細かく球をつなぐ相手に、SOバーンズが低くタックルに入った。すぐさまCTB松田が加勢する。抱える脇が甘くなった相手から松田が球を奪い、右サイドを独走。WTB山田へパスし、試合を決定付けるトライを奪った。
相手は公式戦28連勝中。昨季はリーグでも、日本選手権決勝でも敗れた。速いパス回しでスペースを突いてくる相手に対し、粘り強くタックルを続け、攻撃を遅らせるのが鍵だった。
松田は言う。「チームとして我慢してディフェンスができた。(タックルした)1人目がしっかり倒す、2人目もボールに絡むところは意識した」。連動した防御が、試合を左右した一瞬にも出た。
ディーンズ監督は「成長を確信できた」と手応えを語った。2季ぶりの王座奪還へ、優勝決定トーナメントで再戦の可能性がある。雨中でノックオンなどのミスも多かっただけに、今季全勝同士の対戦は晴天であればさらなる好ゲームも期待させた。(増田啓佑)