先制点を挙げ、喜ぶ横浜マの伊藤⑯ら=時事
(21日、横浜マ3―2鹿島)
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5分と表示された後半の追加時間も過ぎ、1点を追う鹿島が獲得したCK。GK曽ケ端までもがゴール前へ上がった。だが、大きくクリアされて終了の笛。うつむいて足早にピッチを去る選手たちの背中が、痛恨の敗戦を物語っていた。
2―2で迎えた後半29分。攻勢の時間帯に、MF中村が右サイドでの1対1であっさりと抜かれた。スルーパスを出され、飛び出した横浜マMF遠藤への対処が後手に。追いついたDF山本は、反転でかわされた。シュートを許し、決勝点を献上した。
守備の要のDF昌子が自戒を込めて言う。「3失点とも、優勝するチームがするような失点ではない」
前半3分にCKで許した先取点は今季最速。その11分後にはDF植田が雨でぬかるむピッチでバックパスをトラップミスした。相手に球をかっさらわれ、2点目を奪われた。
この1週間、大岩監督は「相手の得点の多くはセットプレーとクロスから」と強調。CKの守りは入念に確認していた。さらに植田は悪天候が予想された試合に、「はっきりとしたプレーを心がける」と話していた。いずれも想定していただけに、準備を生かせなかったことが痛い。
横浜マにはJ1で5年ぶりの敗戦。2位川崎との勝ち点差は2まで詰まった。MF三竿健は「僕らの優位は変わらず、全部勝てばいい。これからの自分たち次第」と話す。2連覇へ、王者は正念場を迎えている。(藤木健)