辻元清美氏
立憲民主党は24日の両院議員総会で、辻元清美政調会長を国会対策委員長に起用する人事を了承した。来月1日に召集予定の特別国会に合わせ、政調会長の兼務を解く。政権への対決姿勢を鮮明にする人事で、安倍晋三首相がめざす憲法改正の論議にも影響を及ぼしそうだ。
辻元氏は、衆院大阪10区選出の当選7回。国会審議で「ソーリ、ソーリ」と小泉純一郎首相(当時)に食い下がり、注目された。安全保障関連法の審議では安倍首相と対峙(たいじ)した論客。巨大与党に衆院55議席で挑む野党第1党を率いる状況下、「持ち前の交渉力も含めて適任」(福山哲郎幹事長)と白羽の矢が立った。
辻元氏は9条改憲反対の急先鋒(きゅうせんぽう)でもある。野党との協調を重視した中山太郎・元憲法調査会長時代の憲法論議への回帰を主張しており、立憲抜きの発議を示唆した首相の方針と対立しそうだ。
自民、民進両党によると、民進の前身・民主党時代も含めて女性の国対委員長はいない。衆院幹部は「酒席での交渉ごとが多い国対委員長に女性が起用された例は少数政党を除いて記憶にない」と話す。(南彰)