清宮幸太郎の交渉権を巡る抽選で、くじをひく日本ハムの木田GM補佐(左)=26日午後、東京都港区、林敏行撮影
(26日、プロ野球ドラフト)
7球団競合となった清宮幸太郎内野手(早稲田実)を引き当てたのは日本ハムの木田優夫GM補佐だった。昨季まで5回連続してくじを外している栗山英樹監督に代わっての「登板」で、大仕事をやってのけた。
ロッテ、ヤクルトに続く3番目で、木田GM補佐は利き腕ではない左手を抽選箱の中に入れた。当たりくじだけにある「交渉権確定」の文字を確認した瞬間、右腕を高く突き上げる。直後のインタビューで「昨日、(親交のある明石家)さんまさんから『左手でいけ』って言われたんで。よかったです」と、ほおを緩めた。
昨季、指名選手が競合した場合の「くじ引き」を担当した栗山監督は、田中正義(創価大、現ソフトバンク)を5球団競合の末に外し、「外れ1位」で指名した佐々木千隼(桜美林大、現ロッテ)も5球団競合で外した。2013年は松井裕樹(神奈川・桐光学園高、現楽天)ら、3回連続で1位のくじを外したこともある。
ドラフト前日にあった会議で、吉村浩GMから「くじ引き役解任」を伝えられた栗山監督は「クビになった……」と残念そうだったが、この日は満面の笑み。「僕何もしてないですけど、ものすごくうれしい。木田さんの背中見て、手を挙げろ挙げろ挙げろ、と思っていた。日本の、世界のホームランバッターにする。これから誠意を尽くして、ぜひ、チームに来てもらえるように思いを伝えていきたい」と興奮気味に話した。(山下弘展、武沢昌英)