一回表ソフトバンク2死三塁、内川は右越えに先制の適時二塁打を放つ。投手ウィーランド=上田潤撮影
(31日、日本シリーズ第3戦 ソフトバンク3―2DeNA)
ソフトバンク3連勝、日本一に王手 日本シリーズ
ソフトバンクの内川が、かつての本拠で輝いた。
一回。高めのカーブを右中間へ。3試合連続の先制点は自身にとってこのシリーズ初打点。たどり着いた二塁上で笑顔がはじけた。
先頭の柳田が出て、今宮がバントで送る――。過去2戦はこの形から、3番デスパイネの適時打で先手を奪っていた。ところが、この日は1死三塁としながら空振り三振に。
「デスパ(デスパイネ)が打てない時は僕が。それも、打線のつながりだと思う」。打って欲しいところで一本を出せる勝負強さこそ、強力打線の4番を任されるゆえんだろう。
今でこそ敵地だが、プロ入りから10年間、慣れ親しんだ球場。試合前にはDeNAファンから拍手が送られた。「(ブーイングでも拍手でも)どちらでも気にしない」と言いつつ、脱帽し頭を下げた。
この3試合で初めて上ったお立ち台。「4勝するまでは、うちが勝つかDeNAが勝つか分からない。でも日本一に近づいたのは間違いない」。控えめな言葉に、手応えがにじんだ。(松沢憲司)