第五福竜丸の建造70年を記念する企画展のオープニングセレモニーに参加した人たち。(中央後方の左から)元船員の大石又七さん、男鹿和雄さん、吉永小百合さん=5日午後、東京都江東区、角野貴之撮影
63年前、米国の水爆実験で被曝(ひばく)した木造マグロ漁船「第五福竜丸」が建造70年を迎え、スタジオジブリで美術監督を務める男鹿(おが)和雄さん(65)が福竜丸の絵を描いた。男鹿さんと子どもたちの絵を集めた企画展が東京都立第五福竜丸展示館(東京都江東区)で開かれており、5日、セレモニーが開かれた。
男鹿さんの絵は「森の第五福竜丸」と「海の第五福竜丸」など計5点。「はだしのゲン」などのアニメ制作や、原爆詩の朗読を続ける吉永小百合さんの活動に協力する中、平和やいのちをテーマにした絵も描くようになったという。男鹿さんは今回、福竜丸の船員だった大石又七さん(83)に話を聞いたり、母港だった静岡県焼津港に足を運んだりしながらイメージを膨らませた。
セレモニーで男鹿さんは「第五福竜丸がなぜここにあるのか、核兵器とはどういうものか関心を持ってもらいたい」とあいさつ。吉永さんも駆けつけ、「核兵器が世界中からなくなる時代へ、私たちの力で一歩ずつ進めていきたいと思います」と話した。また、来日したトランプ米大統領について、セレモニー終了後、「パールハーバーを忘れるな、とおっしゃったみたいですけど、私たちは広島、長崎、福島そして第五福竜丸のことも忘れないでいきましょうという気持ちです」と語った。
企画展は来年3月25日まで。午前9時半~午後4時、月曜休館。入館無料。問い合わせは展示館(03・3521・8494)へ。
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