西日本選手権の女子フリーで演技を終え、顔に手を当てる細田采花=5日、福岡市
フィギュアスケートの西日本選手権は5日、福岡市で女子フリーがあり、関西大4年の細田采花(あやか)(22)がトリプルアクセル(3回転半)ジャンプに挑戦した。転倒したものの認定され、総合11位で12月の全日本選手権(東京)への切符を手にした。「最後」の大舞台で成功させるつもりだ。
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国際スケート連盟(ISU)公認大会で3回転半を成功させた日本女子は、伊藤みどり、浅田真央、中野友加里とジュニアの15歳、紀平梨花(関大ク)の4人しかいない。細田は今年1月に長野県で開かれた国体で現役を引退するつもりだったが、同じリンクで練習する紀平のひと言がきっかけで転機が訪れた。
「一緒に(3回転半を)やろう」
細田は「遊び感覚でやったら跳んじゃった」と振り返る。試合で跳びたいという思いが募り、大学を休学して現役を続けることにした。「男子は4回転時代と言われる。女子も3回転半や4回転を降りている選手がいる。女子にもジャンプの変化の時代が来るのかなと思っている」
ISU非公認の今大会、4日のショートプログラム(SP)では46・78点で15位だった。フリーの結果次第では、全日本選手権出場が厳しい状況になった。5日の早朝練習でコーチは3回転半を外すことを提案した。
しかし、細田は「アクセルを跳ぶために続けてきた」と構成に入れることを決意した。演技直前の6分間練習では3回転半を着氷。本番では3回転半で転倒したが、3回転フリップからの3連続ジャンプを決めるなどして立て直した。90・54点をマークし、大舞台に進むことになった。演技後は「後悔はない」とすっきりした表情を見せた。
楽しくシーズンを過ごしているという。「梨花ちゃんを見て『やらな』と。中学生とガチで勝負しています」(浅野有美)