男子SPで演技する佐藤洸彬=白井伸洋撮影
平昌(ピョンチャン)五輪フィギュアスケート男子の3枠目争いに加わる選手が現れた。10日に大阪市中央体育館で開幕したグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯に初出場した友野一希(同大)と佐藤洸彬(ひろあき、岩手大)だ。昨季世界選手権1、2位の羽生結弦(ANA)と宇野昌磨(トヨタ自動車)は代表の最有力候補だが、3枠目は混戦様相になってきた。
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「もっているのか、もっていないのか」。村上大介(陽進堂)の欠場でNHK杯出場が急きょ決まった友野は、そうつぶやいた。実は急きょ出場するのは今回が2回目。2015年3月の世界ジュニア選手権も大会直前に選手が欠場し、出番が回ってきた。「あのときは出発の2日くらい前、ハンガリーに飛ばされて。今回は地元で移動の疲れもなかった。前の経験が生きた」
友野は10日のショートプログラム(SP)で4回転サルコージャンプを着氷するとともに、持ち味の表現力もアピール。自己ベストを上回る79・88点で6位につけた。「大舞台で落ち着いて演技できたのは収穫。自分の存在を見せつけられたかな。五輪に行きたい」
佐藤は独創的な振り付けが持ち味。SPでは4回転トーループ―2回転ト―ループを着氷して10位。「次は4回転に3回転の連続ジャンプをつけたい」と話し、飛躍を誓った。
今季序盤、男子3枠目の有力候補はいずれもGPシリーズで表彰台の経験がある無良崇人(洋菓子のヒロタ)、田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)、村上の3人だった。しかし、無良はGPシリーズ第2戦のスケートカナダで12人中12位。田中は第3戦の中国杯で7位にとどまり、村上はNHK杯を欠場した。いずれも精彩を欠く中、友野と佐藤がNHK杯でアピールしている。男子フリーは11日夜にある。(浅野有美)