練習で激しい攻防を見せる京産大の選手たち=16日、京産大グラウンド
関西大学ラグビーリーグは19日に大一番を迎える。ここまで5戦全勝の京産大と天理大が滋賀・皇子山で対戦し、勝者が優勝となる。昨季覇者に挑む京産大が勝てば実に19年ぶり5度目の栄冠となる。
士気は高い。今季はFW陣が相手に圧力をかけつつ、バックス陣が球を自在に操る伝統のラグビーが生きている。何より、競った試合での勝負強さが光る。
山場は関学大戦だった。試合終了直前で12点差と完全に「負け試合」(大西監督)だったが、そこからFWの踏ん張り、相手防御の穴を冷静に見つけた途中出場の2年生SO山内らの活躍で、2トライ2ゴール。35―33とロスタイムで逆転勝利に成功した。
この試合、普段は淡々とプレーするプロップ酒井が「俺ら4回生が行かな、誰がいくねん」とチームを鼓舞する声を上げ、一気にムードが高まったという。途中交代した主将のフッカー中川は「ほかの選手が『しびれた』と言っていた」。より一体感が出たという。
次の同大戦では73―19と古くからのライバルを寄せ付けない強さを見せた。「ひたむきに頑張れる選手が多く、まとまりがある」と中川は語る。
そんなチームについて大西監督は「昨季、明治に勝った経験が大きい」とみる。昨季の全国大学選手権3回戦では過去12度の優勝を誇る明大に後半、逆転勝ちで8強入りした。「自信になったのでは」。今季、勝負どころで踏ん張れる要因だ。
19日は天理大ナンバーエイトのマキシ、CTBフィフィタと突破力ある外国人選手をいかに止められるかがポイント。球を持った相手に2、3人がまとまって挑み、一気に球を奪いとるつもりだ。(有田憲一)