前半、シュートを放つ川崎のエウシーニョ=時事
(18日、川崎1―0ガ大阪)
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悔しさの分だけ、強くなった。負ければ鹿島の優勝が決まる一戦で、川崎が力を発揮した。
決勝点は後半37分。自慢のパスワークからではなく、CKが起点の泥臭いゴールだった。決めたエウシーニョは誇らしげに言った。「チームのみんなが、つないでくれたおかげ」
川崎が放ったシュートは25本。再三のチャンスを相手GKの好守などで阻まれる嫌な流れだった。断ち切ったのは、今年取り組んでいる前線からの守備。球を失っても、すかさず2人、3人で取り囲み、奪い返す。許したシュートは1本だけ。失点しそうな雰囲気が無かったから、厚みのある攻撃を終盤まで続けられ、セットプレーの好機も呼び込めた。
J1の強豪となっても主要タイトルに届かない川崎。今季も、アジア・チャンピオンズリーグでは準々決勝第2戦で浦和に大逆転負け。直近のルヴァン杯決勝でも4度目の準優勝に終わった。選手たちは落胆し、練習場から覇気が消えた。
それでも谷口は言う。「タイトルが取れなかったからといって、積み上げてきたサッカーは無くならない。自分たちはまだ死んでいない、というところを見せたかった」。チームの成長を証明するためにも、負けられない一戦だった。
この勝利をもってしても、厳しい状況に変わりはない。鹿島が26日の次戦に勝てば、29日にある川崎の次戦の結果に関係無く鹿島の優勝が決まる。「信じることが大事」。小林は、祈るようにつぶやいた。(清水寿之)
○鬼木監督(川) 「プレッシャーのかかる試合に勝てたことがすべて。守備で前から仕掛け、相手のやる気と体力を奪うことができた」
○中村(川) 「攻守に圧倒しようという意識が、みんなの中で強かった。鹿島には、少しでもプレッシャーをかけるしかない。ぼくらはやり続けるだけ」