内山理名さん=遠崎智宏撮影
「マチ工場のオンナ」に主演
「私ってすごく笑い上戸。何でも笑っちゃう。でも、大変だからこそ笑っている」
内山理名さん「つらい時こそ出るパワーが好き」一問一答
気分がそれ以上後退せず、逆に上向くからだという。
そんな姿勢は「マチ工場(こうば)のオンナ」(NHK、金曜夜10時)で演じる有元光(ひかる)にも重なる。町工場を経営する父(舘ひろし)が急死したため、専業主婦から社長に就任、再建に奔走する。困難に直面しても、光は常に前向きだ。
「台本を読んで感じる、つらい時こそ出るパワーとか、乗り越えようとする力が大好き」。原作「町工場の娘」の著者・諏訪貴子さんに「全てお任せ」と笑顔で言われた。その時の印象から、強くても女性らしい女性、という役のイメージが固まった。
ドラマでは父と娘の愛情も大きなテーマ。演じていて、自身の亡き父に関する様々な思い出もよみがえった。
「世の中には『お父さん大好き』って言っている子もたくさんいると思うけど、私はたぶん一度もなかった。でもお父さんのこと格好いいなって思ったり、一方で、私のことほんとに好きなの?と疑ってみたり。時にイラッとしても実は大好きみたいな、そんなところがあって」。だからこそ、疎遠に見えながらも互いを思う光と父の姿に共感できるそうだ。
ともすれば「いいね」ばかり連発するような表面的な会話と違い、登場人物が本音を出してぶつかり合うストーリーが気に入っている。「私も人とぶつかることはあるけど、でもそれは自分の気持ちをしっかり伝えたいから。それって人間らしくていいじゃん、と見ていて思ってもらえるんじゃないかな」(佐藤剛志)