最高裁の審理が終わり、支持者の前に姿を見せた同性カップルのチャーリー・クレイグ氏(左)とデビッド・マリンズ氏(右)=5日、ワシントン、鵜飼啓撮影
同性婚カップルのウェディングケーキ作りを、ケーキ店主が信仰を理由に拒否するのは差別か、表現や信教の自由か――。米連邦最高裁で5日、そんな審理が始まった。ケーキ店側の主張が通れば美容師や花屋などほかのさまざまな職種でも認められかねず、性的少数者の権利擁護の動きに逆行するとして、審理の行方に注目が集まっている。
裁判はコロラド州のケーキ店店主ジャック・フィリップス氏が同州公民権委員会を相手取って起こした。
2012年7月、結婚を予定していたチャーリー・クレイグ氏とデビッド・マリンズ氏の男性同士のカップルが店に訪れ、ウェディングケーキ作りを相談した。店主はキリスト教の信仰を理由に「同性婚のケーキは作らない」と断った。
カップル側は、ケーキ作りを拒んだのは、商品やサービスの提供の際に性的指向などによる差別を禁じる州法の違反だとして公民権委員会に申し立てた。第一審の行政裁判所は「差別」と認定。店主側は控訴したが、第二審でも「差別」との判決が維持された。
店主側は、結婚式の目玉でもあるウェディングケーキを「芸術」と位置づけ、ケーキ職人のメッセージが込められているとして「自らが同意しない結婚への祝福を強いるのは、憲法修正第1条で保障された表現の自由や、自由な宗教活動に反している」と訴えた。
これに対し、公民権委員会側の…