(資料写真:2019年7月1日、撮影・張秀科)
最近第一子を出産した冉さんはここ数ヶ月、夜もぐっすり眠れない日が続いており、「娘が笑っている時はとてもうれしい気分になるけど、それ以外のほとんどの時は苦痛」と話す。2年前に冉さんを取材した当時、彼女はまだ結婚しておらず、「子供はいらない」とはっきり話していた。その理由は、ローンの返済や家賃の支払いなど経済的負担が大きくて、自分も夫も(当時は恋人)いっぱいいっぱいであると同時に、当時は仕事を見つけたばかりで、「子供を産むと、前後3年は仕事に専念できない」からだとしていた。そして、「今とても幸せで生活も充実しており、子供はいらない」と話していた。中国青年報が報じた。
小冉さんは30歳になった昨年、夫と婚姻届を出した。そして、今年3月9日、陣痛開始から約12時間かけて第一子を出産した。出産の時は叫び声をあげるほど激痛で、生まれた赤ちゃんの性別を確認させるため、助産師が抱き上げて来た時も、彼女はすでに痛さのため意識がもうろうとしていた状態で、「複雑な気持ちで、(赤ちゃん)を見る気になれなかった」と振り返る。分娩室から出てきた後、冉さんは少しずつ意識がはっきりし、生まれてきた我が子を見て、「母親になるのは本当にたいへんなことだ」と実感。「命がけで生んだ娘なのだから、今後はしっかりと守ってあげたい。幸せで、楽しい一生を過ごしてほしい」と思うようになったという。
中国人は依然として「結婚→育児」願う
冉さんが出産する前に感じていた「育児が怖いという心理」は、今の若者の間では決して珍しいものではない。中国国家統計局の統計によると、2019年、中国の出生数は1465万人で、出生率は10.48‰だった。1949年以来、最も低い出生率だった。
中央民族大学・社会学部の楊菊華教授は、2019年の出生率が下がった主な原因について、「出産可能年齢(15-49歳)の女性が約500万人減少し、出産適齢期(20-29歳)の女性が約600万減少したから」と分析。出産可能年齢の女性が減少しているため、必然的に出生数も減少するという。