不妊症の患者の卵巣組織の一部を使って卵子の質の改善を試みる不妊治療の臨床研究で、4人の女性が今年、双子を含む計5人を出産した。「HORACグランフロント大阪クリニック」が21日、発表した。海外ではこの方法での出産例があるが、国内では初。一方、効果や安全性について慎重な意見もある。
クリニックによると、腹腔(ふくくう)鏡手術で卵巣から組織の一部を取り出し、組織に含まれる細胞からエネルギーのもとを作るミトコンドリアを抽出。別に取り出した本人の卵子に精子とともに注入して体外受精させ、子宮に戻す。
日本産科婦人科学会の承認を得て、昨年2月から27~46歳の21人に実施した。大半が体外受精をしても受精卵がうまく育たなかった女性という。うち6人が妊娠し、27~36歳の4人が今年2~6月に出産した。治療費は体外受精も含めて1人約200万円で、患者が負担した。
森本義晴院長は「今後は生まれ…