事件現場で花を供える京都府警の(左から)仲川徹・捜査1課長、垣内伸吾・刑事部長、中村国博・山科署長=19日午前7時41分、京都市山科区、佐藤慈子撮影
餃子(ギョーザ)の王将を展開する王将フードサービスの社長だった大東(おおひがし)隆行さん(当時72)が2013年12月、京都市山科区の本社前で射殺された事件から4年。捜査で新たに、逃走用の原付きバイクを盗むのに使われたとみられる軽乗用車から、男女数人のDNA型が検出されたことがわかった。京都府警は犯行グループにつながる可能性があるとみて調べている。
捜査関係者によると、この軽乗用車は福岡県内のナンバーで、事件当時の所有者は女性だった。16年春に中古車販売店で確認され、府警が購入。車内の微物から複数人のDNA型を検出したという。射殺現場周辺の遺留物からは、同県内を拠点にする暴力団の組員のDNA型を検出。軽乗用車の所有女性は組員と同郷・同世代で、事件後、この車が九州を走っていたことが確認されているが、組員とのつながりは不明という。
大東さんは4年前の早朝、マイカーで出勤直後、拳銃で4発撃たれて殺された。14年4月、現場から北東約2キロのアパート駐輪場で見つかったオートバイのハンドルから発射後の硝煙反応を検出。近くには事件の2カ月前に京都市伏見区内で盗まれた原付きバイクがあり、ナンバープレートが付け替えられていた。府警は逃走用とみている。
捜査関係者によると、盗難現場の防犯カメラには、女性所有の軽乗用車から降りた男がこの原付きバイクに乗り、車と一緒に走り去る姿が映っていた。オートバイや原付きバイクからはDNA型は検出されなかったという。
射殺現場では19日朝、府警の垣内伸吾刑事部長らが献花した。大東さんの長男剛志(つよし)さん(43)は「なぜ殺されなければならなかったのか、困惑は強まるばかり。真相をぜひとも教えてほしい」と府警を通じてコメントを出した。