安倍晋三首相は19日、東京都内で講演し、2020年の改正憲法施行に改めて意欲を示した。「(東京)オリンピック・パラリンピックが開催される2020年、日本が大きく生まれ変わる年にするきっかけとしたい。憲法について議論を深め、国の形、あり方を大いに論じるべきだ」と述べた。
首相は10月の衆院選の演説で、憲法改正を正面から訴えなかった。だが、この日の講演では「それぞれの党がそれぞれの意見、具体的な案を持ち寄って、(衆参の)憲法審査会の静かな環境のもとで議論を深めていただきたい」とし、議論の加速に期待を示した。ただ、「スケジュールありきではない」とも語った。
首相は5月、憲法9条に自衛隊を明記する必要性などを主張し、「20年を新しい憲法が施行される年にしたい」と明言。これを受け、自民党は衆院選公約で「改憲4項目」を掲げた。
首相は講演で「5月の私の発言は、停滞していた憲法の議論を後押しするために一石を投じたもの。ただ、その石があまりにも大きすぎてその後が大変だった」と反発が出たことを振り返りつつ、「党内の議論が格段に活性化したのは間違いない事実」と述べた。
また、来年5月にサンクトペテルブルクで開かれる国際経済フォーラムなどに「(ロシアの)プーチン大統領とともに出席したい」と表明した。