ふっくら焼けたアユの塩焼き。頭からまるまる食べられる [PR] 食のプロと一杯@たちばな家(東京都檜原村) 清流の女王、アユ。姿が美しく、味も良いことからそう呼ばれる。高知県の四万十川や岐阜県の長良川が有名だが、東京産はどんな味がするのだろうか。聞けば多摩川の支流、秋川で「うまいアユ」を育てているらしい。最も詳しそうなのは地元の漁業協同組合。秋川漁協組合長の安永勝昭さん(72)に一献傾けながら話を聞きたいとお願いした。 新宿駅からJRで約1時間半の武蔵五日市駅からさらに車で15分ほど。檜原村にある「たちばな家」に到着した。「一生懸命育てたアユをおいしく食べさせてくれるのがこの店」。安永さんの説明を聞き、期待が高まった。
囲炉裏を囲んで談笑する安永勝昭さん(右)ら秋川漁協の人たち 真ん中が囲炉裏になったテーブルで、安永さんや漁協のメンバーと一緒にまず生ビール(600円)で乾杯。目の前の囲炉裏でアユを焼くのかと思ったら、並ぶのは地元産の里芋。では、アユは? 店主が厨房(ちゅうぼう)のグリラーで、強火の遠火で全体に火が通るようじっくり焼くのだという。安永さんは「自宅でも焼けるけど、ここはふっくら焼き上げてくれるのがいいんだ」。 鼻に抜ける香り 焼き上がるのを待ちながら、刺し身こんにゃく(400円)に手を伸ばす。さっぱりした味にみそだれの甘さが効いておいしい。「アユ以外にも、地元の特産品をいろいろ楽しめる」と安永さん。あぶって香ばしくなった里芋も、塩が効いて素朴な味わいだ。
檜原村の名物の刺し身こんにゃく。ショウガじょうゆか、みそだれにつけて食べる 待つこと15分。ほどよく焼き目がついたアユ(1皿2~3匹で1300円)が運ばれてきた。「さぁ、自慢のアユだ。焼きたてのうちに食べて」。ほおばると、鼻に抜ける甘い香り。しっかりした白身の味わいを身全体に振りかけられた塩味が引き立て、ご飯が食べたくなる。次は、はらわたをパクリ。ほどよい苦みが口の中に広がり、おもわず地酒に手が伸びる。これまで食べたアユと違って臭みがない。頭も尾も、おいしく食べられた。
アユの塩焼きをほおばる安永勝昭さん(右) コケにこだわり たちばな家で扱うのは秋川漁協のアユ。どうしたらこんなにおいしいアユを育てられるのか。「えさになるコケの品質をよくすることが重要なんだ」。安永さんが教えてくれた。いいコケをつくるため、漁協では3、4月の放流前に川の水がスムーズに流れるよう落ちた木などを拾って掃除する。それだけでなく、川の石に日光がよく当たってコケが育つよう、周囲の木の枝も伐採するという。努力が実り、秋川のアユは昨年、姿形や香り、味を比べる「清流めぐり利き鮎(あゆ)会」で全国準グランプリに選ばれた。安永さんは「いいコケをはんだアユのわたは苦みが少ない。水が良ければ身の臭みもない。川の環境の良しあしで味が違ってくる」と力説した。
焼いたカジカに地酒を注いだ骨酒 店主の高木省次さん(68)が、なにやら黒いものが入ったコップを運んできた。カジカだ。じっくり焼いた10センチほどのカジカに熱かんを注ぐ。ふぐのひれ酒、ならぬカジカの骨酒(2合1200円、裏メニューで希少)。飲むと甘みがあってまろやか。このカジカも秋川でとったものだ。「アユもカジカも清流に生息する。きれいな秋川を全国に知ってもらいたい」と組合長。「来年の利き鮎会はグランプリを狙うぞ」。アユを育てるプロたちの夢が、ますます膨らんだ。(山田知英) ■漁協、コケまで気… |
清流の女王、多摩川はコケにもこだわり 秋川のアユ談議
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