田辺工業高校の生徒が作る「デロリアン」=田辺市あけぼの
田辺工業高校(和歌山県田辺市あけぼの)に、輝く未来を待つモノがある。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の車型タイムマシンを模して同校の生徒たちが製作中の「デロリアン」だ。
原寸大のアルミニウム製で、車体を光らせたり、音楽を流したりできる機能もついている。さらに、定時になると360度回転する仕組みの土台を作り、その上に設置するという。完成後は校門前のロータリーに学校のシンボルとして設置する予定だ。
2年前、倒木の恐れがあったため、ロータリーに植えられていた卒業記念樹が撤去された。「代わりに新たな学校のシンボルとなるものを作らないか」。校長の提案に手をあげたのが高井正人教諭(48)だった。
台風が来ても倒れず、見栄えのいいもの……。そこで思いついたのが「デロリアン」だった。昨年、高井教諭が担任を務める3年生のクラスに提案したところ、生徒たちも賛同し、製作が始まった。
現在は高井教諭が副顧問を務める工作製図部の部員たちが製作を引き継いでいる。土台部分を手がけているところだ。部員の角脇俊樹さん(2年)は「『デロリアン』は先輩たちが作りあげたもの。それを支える土台部分に携わることができ、誇りに思う」と話す。
高井教諭は「もちろん簡単にできるものではない。長い目で見て2019年にできればいいなと思っている。できたときの達成感を、卒業した先輩とそれを引き継いだ後輩たちみんなで感じてもらいたい」と完成を心待ちにする。(市川由佳子)