大阪府箕面市の集合住宅の一室で男児(4)に暴行を加えて殺害したとして、大阪府警は25日、いずれも住人で、母親の無職筒井麻衣容疑者(26)と交際相手の無職松本匠吾容疑者(24)、知人の無職大倉敏弥容疑者(20)を殺人容疑で逮捕し、発表した。男児には全身に数十カ所のあざがあり、3人は「日頃から暴力を振るっていた」と供述。府警は激しい虐待が繰り返されたとみている。
捜査1課によると、死亡したのは筒井容疑者の長男歩夢(あゆむ)ちゃん。3人は24日深夜~25日未明、箕面市粟生間谷(あおまたに)西2丁目の「UR都市機構箕面粟生第3団地」で歩夢ちゃんの腹部を殴るなどの暴行を加え、殺害した疑いがある。歩夢ちゃんは、目の周りや腹に強く殴打されたあざがあり、司法解剖の結果、外傷性の腹内出血が死因だった。筒井容疑者は「(今回の事件では)私は暴力を振るっていない」と容疑を否認。松本容疑者ら2人は暴行を認め、「しつけで素手で殴った。もしかしたら死ぬかも知れないと思った」と話しているという。
松本容疑者は1カ月ほど前から、知人の大倉容疑者とともに、現場の一室で筒井容疑者と歩夢ちゃん、次男(2)と5人で暮らすようになった。弟にもあざができていたという。筒井容疑者は、松本容疑者らが教育だとして息子2人に暴力を振るっていたと説明。今回の暴行について、「いつもよりきつかった」と話しているという。
子どもが歩夢ちゃんと同じ保育所に通う30代の女性は「歩夢くんは活発な子だった。最近は保育所に来ていない様子で、事件を知って驚いた」。同じ集合住宅の下の階に住む70代の男性は今月、歩夢ちゃんとみられる男児が遊んでいるのを見かけた。「何をしているの」と言うと、「おいちゃん、おいちゃん」と寄ってきたという。「元気そうな子で、あざなどのけがはなかった。母親も一緒にいたが、座って携帯電話をさわっていた」と話した。