長崎市や長崎県佐世保市と五島列島を結ぶ九州商船(長崎市)の旅客船全便が25日朝から船員のストライキのため運休していた問題で、船員が加盟する全日本海員組合長崎支部は25日午後、ストを解除したことを明らかにした。九州商船によると、26日の始発から運航を再開する予定という。
旅客船スト、帰省客ら足止め 長崎―五島列島航路
組合側は、会社側が「組合員を排除して(組合の)弱体化を推し進めている」と訴え、25日の始発便から無期限ストに入っていた。
九州商船の労使関係をめぐっては、会社側が2015年、組合員が担ってきた水中翼船の整備の仕事を、新たに雇用する従業員にさせると組合側に申し入れた。組合側は「一方的な会社判断で進めることは労働協約に反する」として会社側と団体交渉を続けたが、決裂した。
長崎県労働委員会は今年11月、会社側が新たに雇用する従業員を海員組合とは別の労働組合に加入させようとしたと認定。不当労働行為に当たるとして、誠実に団体交渉するよう会社側に命じていた。(森本類、山野健太郎)