大阪府箕面市の集合住宅で筒井歩夢(あゆむ)ちゃん(4)が腹などを殴られて死亡した事件で、歩夢ちゃんの全身にできたあざが直近1カ月ほどの間にできたとみられることが、捜査関係者への取材でわかった。歩夢ちゃんや母親の筒井麻衣容疑者(26)=殺人容疑で逮捕=と、交際相手の松本匠吾容疑者(24)=同=らが同居を始めた時期と重なり、府警は同居を機に暴行が始まったとみて経緯を調べる。
夏に風呂入らず・顔にあざ SOSあったのに 4歳殺害
4歳男児死亡、全身にあざ 母親ら3人を逮捕
府警によると、松本容疑者は、地元の後輩の大倉敏弥容疑者(20)=同=とともに、仕事を辞めて11月から筒井容疑者宅で暮らすようになったという。
捜査関係者によると、歩夢ちゃんの全身には異なる時期にできた数十カ所のあざがあり、検視や司法解剖の結果などから、いずれも1カ月ほどの間にできたとみられる。歩夢ちゃんは弟(2)とともに5月に市立保育所に入ったが、府警が保育所の職員らに事情を聴いたところ、連絡なく休み始めた11月中旬までは目立ったけがは確認されなかった。
逮捕された3人は「以前から、しつけのため殴っていた」「言うことを聞かないとき、教育のために暴力を振るった」などと日常的な暴行を認めている。ただ、今回の事件については筒井容疑者が「私はやっておらず、他の2人がやった」と供述する一方、松本容疑者らは「3人で殴った」などと食い違う説明をしているという。
同居が始まる以前は、保育所の職員が歩夢ちゃんと弟が風呂に入らず、あまり服も着替えていないことに気づいたという。府警は、当初は筒井容疑者のネグレクト(育児放棄)だったが、3人による暴行にエスカレートしていったとみて経緯を調べる。
府警は26日午後、3人を殺人容疑で送検する。
虐待の相談窓口
厚生労働省や法務省などは、虐待に悩む子どもや親、近隣住民らが電話で相談できる窓口を設けている。
児童相談所全国共通ダイヤル(189)
児童虐待の通報や相談を受け付ける。「189」にかけると最寄りの児童相談所につながる。
チャイルドライン(0120・99・7777)
18歳までの子ども本人がかけて相談できる。認定NPO法人チャイルドライン支援センターが運営。月~土曜の午後4~9時。
子どもの人権110番(0120・007・110)
最寄りの法務局につながる。平日午前8時半~午後5時15分。