米原子力空母3隻に海自護衛艦が続く陣形で日本海を航行した=11月12日、海上自衛隊提供
抑止力を問う:上
北朝鮮は今年、弾道ミサイル発射を繰り返し、国際社会の制止を振り切り6回目の核実験を強行した。こうした挑発のたびに、日本政府が繰り返したキーワードが「抑止力」だった。日米安保のもと、日本が依存する「抑止力」とは何か。
「『抑止力』の基盤である日米同盟は揺るがないことを明確に示すものだった」。安倍晋三首相は先月29日の国会答弁で、日本海で行われた米原子力空母3隻と海上自衛隊護衛艦による共同訓練をたたえた。
米国による空母3隻の派遣は、1996年の台湾海峡危機で空母2隻を派遣して中国の軍事力行使を封じた作戦に匹敵する。両作戦に参加した空母ニミッツを擁する第11空母打撃群のハリス司令官は共同訓練翌日の13日、艦上で「同盟国との訓練で『我々はここにいる』というメッセージとして(北朝鮮に)伝わる」と強調した。
「抑止力」とは、攻撃してくればダメージを与えるという姿勢を事前に示すことで、相手に攻撃を思いとどまらせるという軍事力の役割を指す。カギは、相手国に脅威を感じさせるかどうかだ。在日米軍のマルティネス司令官は、共同訓練する姿で「日米両国が一つのチーム」だというシグナルを送ることが抑止につながるという考えを示す。
ただ、両国の軍事力には圧倒的…