「ゆうこす」の愛称で知られ、若い女性から熱い支持を集める菅本裕子さん=東京都港区、川村直子撮影
希望はどこに モテクリエイター・菅本裕子さん
モテるためのメイクやファッションをSNSで発信し、同世代の女性から支持されている「ゆうこす」こと菅本裕子さん(23)。「モテクリエイター」を名乗り、総フォロワー数は計70万超に上ります。アイドルグループ「HKT48」をやめて、将来を模索していたときに直面した「どん底」経験で希望を見つけたと語ります。シリーズ企画「希望はどこに」の第4回。今ほど生きやすい時代はないと言い切る菅本さんにとって希望とは?
「わかり合えないけど好き」を積み上げる 水野良樹さん
直虎の時代も今も、世の中って先行き不安 森下佳子さん
君たちは…自分の意思をどう見つけるのか 羽賀翔一さん
元々は17歳からAKB48の姉妹グループHKT48のメンバーでした。中心メンバーではないけれど、NHKの紅白歌合戦や武道館でのライブの舞台に立ったこともあります。1年足らずでやめて実家でニート生活を送っていましたが、2016年夏に起業。今はインスタグラムやユーチューブ、LINEなど計九つのSNSを使い分け、同世代の女の子向けのメイクの実演やファッションの発信という自分の「好き」を仕事にしています。「モテたい」女の子の夢をかなえる力になる。肩書の「モテクリエイター」はファンがつけてくれました。
不安や生きづらさという言葉を聞いても、ぴんときません。今の私はこれほど生きやすい時代はないと思っているから。SNSがあれば、どんなに失敗しても、失敗をストーリーに変え、共感を広げ、しかも仕事も生み出してくれる。こんなことって昔は絶対に無理だったと思う。誰もがスマートフォンを見ていて、自分次第で仲間がいくらでもつくれる。(専門家の時間を売り買いするサービスの)タイムバンク、(個人の価値を株式のように売買できる)VALUなどネット上で新しいサービスがどんどん生まれている今、個人が使える「武器」はそろってきている。失敗してもやり直せる。希望に満ちた時代だと思っています。
そう思えるようになったのは最近です。転機は15年の冬でした。
アイドルをやめて福岡の実家でひきこもっていました。ネットでアイドル時代の出来事についてあることないこと書かれてバッシングされ、過敏になっていたんです。でもアイドルになるため受験勉強はしてなかったから大学は目指せない。しかも大きなグループにいた分、地元にも居づらい。それで東京に来たんです。当時、私のツイッターのフォロワー数は3万人超。アイドルじゃなくてもイベントを開けば、ある程度人は来てくれるだろう、なんとかなるだろうと。
ネット徹底的に研究した
「『どん底』はストーリーになる。失敗すればするほど大きな武器になる」
結果は3人。ショックでした。…