4連覇でゴールする青学大10区の橋間=角野貴之撮影
青学大の「ハーモニー大作戦」が3大駅伝の最後で勝利のファンファーレを奏でた。出雲2位、全日本3位と、今季ここまで無冠で迎えた箱根駅伝。原監督は「今年は大太鼓がいないので、10区間全体で調和をとっていきたい」と話していたが、ハーモニーはぴったり合い、史上6校目の総合4連覇を達成した。
青学大、大会新で箱根駅伝4連覇 東洋大を6区で逆転
特集:箱根駅伝2018
2日の往路。3区のエースの田村和希(4年)の調子がいま一つ上がらない。トップ東洋大と22秒差の2位でタスキを受けたが、差は逆に46秒に開いてしまった。
圧倒的な区間賞候補が区間2位と不発。ここでトップに立っているはずの計算は狂った。4区の梶谷瑠哉(3年)も流れを引き戻せなかった。
それでも5区の山登りで、竹石尚人(2年)がカバーした。小田原中継所では2分ほどあった東洋大との差を36秒差までじりじりと縮めた。
そしてこの日の復路。山下りのスペシャリスト、小野田勇次(3年)が輝いた。過去2回走った6区はいずれも区間2位で、先輩たちに助けられてきた。36秒先にスタートした東洋大の今西駿介(2年)をとらえ、三度目の正直で初の区間賞をつかみとった。
今季、故障で調子がなかなか上がらなかった下田裕太(4年)も最後の箱根には何とか間にあった。「大学生活4年間を全部出し切るような走りをしたい」と3年連続区間賞で責任を果たした。
力はあるのに、好不調の波やミスに引っ張られて勝ちきれなかった出雲、全日本を振り返って原監督は「デコボコの駅伝」と表現した。それが、今回の箱根では一つのパートがミスしても、他のパートがフォローした。大太鼓がいなくても、不協和音が生じても、かばいあう調和が、青学大には確かにあった。(大坂尚子)