ソフトバンクグループは30日、米配車サービス最大手、ウーバー・テクノロジーズの株式の15%を77億ドル(約8600億円)で取得することを明らかにした。同社の株主と合意した。各国で成長が見込まれる配車サービスの大手企業に出資し、事業拡大を図る。
株式取得は来年1月に完了する見通し。ソフトバンクの海外のグループ会社を通して出資し、将来は10兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」に移管する可能性がある。取締役2人をウーバーに派遣する予定だ。
ソフトバンクのラジーブ・ミスラ取締役は「世界中の人々の移動手段や物流を変革し続けるウーバー社をサポートすることをとても楽しみにしている」とのコメントを出した。
ウーバーの企業価値は直近で700億ドル(約7・8兆円)規模とされる。ソフトバンクはかねてウーバーへの出資を検討していたが、安価に株を取得することを目指していた。ウーバーはセクハラ問題などで6月に創業トップが辞任して経営が混乱しており、株主から割安に取得できるようになったとみられる。
スマートフォンのアプリを使った配車サービスは海外で普及が進み、ソフトバンクの孫正義会長兼社長は重視する投資先の一つに掲げている。すでに中国の滴滴出行やインドのオラなど各国の配車サービス大手に出資している。(徳島慎也)