1972年札幌五輪で滑走する日本男子2人乗りチーム
国際ボブスレー・スケルトン連盟が15日に発表した平昌(ピョンチャン)五輪の各国・地域別出場枠で、日本のボブスレーは男女ともに自力で出場枠を獲得できなかった。日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟によると、19日までに上位チームが出場枠を返上して日本に振り分けられなければ、1972年札幌大会から続いた日本勢の五輪出場が途絶える。
各国・地域別出場枠はパイロットの獲得得点で決まり、日本女子は20の出場枠に入れなかった。押切麻李亜(ぷらう)は再配分の可能性のある枠の3番目に入ったが、上位3チームが不参加を決めない限り、出場枠が回ってこない。男子2人乗りはさらに厳しく、再配分枠の6番目。日本連盟によると、男女ともに絶望的という。
日本連盟はここ数年、選手発掘に力を入れてきた。陸上短距離の君嶋愛梨沙(日体大)が「二刀流」でボブスレーに挑戦し、昨季の世界選手権では押切と組み、男女を通じて日本勢過去最高の7位に入った。
平昌(ピョンチャン)五輪での飛躍を期待されたが、日本勢は開幕からつまずき、思うように立て直せないまま得点を稼げなかった。同連盟の鈴木寛・強化担当は「選手たちのポテンシャルをうまく引き出して結果につなげられなかった」と振り返る。
鈴木さんは前回のソチ大会まで5回五輪に出場した経験を持つ。「五輪の連続出場を守りたい気持ちでやってきた。他チームが不参加を決め、日本に出場枠が再分配されることを祈るしかない」と、すがるように話した。(笠井正基)