リクルートグループは17日、民泊仲介サイト世界最大手の米Airbnb(エアビーアンドビー)と業務提携し、民泊事業に参入すると発表した。グループの不動産情報サイト「SUUMO(スーモ)」に掲載した賃貸物件の空室を、民泊物件としてエアビーのサイトで紹介できるようにする。
リクルートホールディングス傘下の子会社でスーモを運営する「リクルート住まいカンパニー」が手がける。スーモには国内の約620万件の賃貸物件が登録されている。空室時にリクルート側が物件の管理会社や所有者に対し、部屋を民泊に活用することを提案。民泊で使う際は、リクルート側が提携する民泊運営の代行会社が掃除や帳簿管理などを担う。
民泊のルールを定めた住宅宿泊事業法(民泊法)が施行される6月以降に始める。「賃貸物件の空室対策が目的。どこでお金をいただくかなどのビジネススキームはこれから詰める」(広報)という。
エアビーの登録物件は世界で約400万件。昨年10月には、民泊運営の代行業者に他の民泊仲介サイトと契約しないよう求めた疑いがあるとして、公正取引委員会が日本法人(東京)に立ち入り検査に入った。民泊事業への参入が相次ぎ、物件の囲い込みも激しくなっている。
楽天は17日、旅行予約サイト「楽天トラベル」で、9月ごろから民泊物件も扱うと発表した。楽天は昨年、不動産情報サイト運営のライフルと新会社を設立して民泊事業に参入すると表明している。ライフルが扱う約800万件の不動産のオーナーに民泊への転用などを勧め、楽天トラベルなどで掲載する。
リクルートグループも宿・ホテル予約サイト「じゃらん」を運営しているが、民泊物件を掲載する予定は「現時点ではない」(同カンパニー広報)という。(石山英明、森田岳穂)