埼玉県本庄市の化学メーカー「DOWAハイテック」の工場で2016年1月、作業員2人が有毒ガスを吸って死亡した事故で、埼玉県警は30日、44歳と35歳の作業員2人と現場責任者の課長(43)の計3人を業務上過失致死容疑で書類送検し、発表した。
同社によると、工場ではソーラーパネルの電極に使う銀粉などを製造。1月3日未明、銀粉の製造過程で出た廃水を処理するタンクののぞき窓が破損し、窓前方の部屋で作業していた当時42歳と22歳の男性作業員が中毒死した。捜査1課によると、書類送検した作業員2人はタンクを洗浄中、注入する薬品の分量を誤り、多量の窒素酸化物ガスを発生させてタンクを破損させた疑いがある。現場責任者は作業に立ち会っていなかったが、監督責任があったと判断した。
作業していた2人は、タンク内に付着した銀粉を溶かすため、硝酸液を注入していたが、十分な化学反応が起きなかったため多く注入しすぎて多量のガスが発生したとみられるという。