きょうも傍聴席にいます。
「きょうも傍聴席にいます。」
床下に女性遺棄、元工務店員に懲役14年判決 東京地裁
親族から受け継いだ家を長く守っていこうとリフォームを考えた60代の女性が、工事を相談した工務店の男に殺害され、床下に遺棄された。法廷で男が主張した動機とは。
1月24日、東京地裁。殺人と死体遺棄の罪に問われた都内の元工務店員青木啓之被告(53)=埼玉県鶴ケ島市=の初公判が開かれた。青木被告は裁判長に認否を問われると、「殺人罪については認めます。死体遺棄罪については争わせていただきます」と述べた。被告の弁護人は「(被害者が)遺棄時に死亡していたかどうかを争う」として起訴内容を一部否認した。
起訴状によると、被告は2017年1月11日、勤務先の工務店の顧客だった女性(当時62歳)宅で口論になり、顔や手足を粘着テープで緊縛。台所の床下に運んだ後、包丁で左胸を数回突き刺して殺害し、遺体をその場に遺棄したとされる。
検察側、弁護側の冒頭陳述や、被告の証言などから事件をたどる。
被告が初めて女性宅を訪問したのは16年12月23日。親族から引き継いだ住宅のリフォームを、女性が被告の勤務先の工務店に相談したのがきっかけだった。女性は二階洋間のリフォームを希望。被告は、何度か女性宅を訪問した。女性が希望する工期で工事をできないことから、被告は17年1月5日、電話で仕事を断ったが、11日に女性宅を再訪した。
今年1月24、25日の被告人質問。女性宅を訪ねた理由を問われると、被告は「リフォームを断ったことを直接おわびし、顧客としてつなぎとめておこうと考え、女性から聞いた玄関ドアの部品の不具合も無償で修理しようと考えていた」と話した。
だが、実際はドアを修理することはできなかった。
被告「部品メーカーがつぶれていて、交換するしかないことを伝えると女性に急に激高され、『交換するとは言っていない』と言われた」
被告は女性の言葉を聞いてカッとなり、女性を右の拳で殴り倒して馬乗りになり、殴り続けたという。被告は、以前女性と会話した際に、自分の母親を揶揄(やゆ)されたことも頭に浮かんだ、と主張した。
被告「母の再婚の話を持ち出し…