
上を向いた作業が続いても、腕にかかる負担を軽減できるというアシストスーツ(積水ハウス提供)
建設作業員の人手不足や高齢化に対応するため、大手ハウスメーカーがロボット技術を導入する動きが相次ぐ。作業時の力を補助するアシストスーツの着用などで現場の負担を減らし、効率を高めるねらいだ。
積水ハウスは天井作業などで腕にかかる負担をやわらげようと、アシストスーツを12月から順次、全国で導入する。米社が開発したアシストスーツ「Ekso Vest(エクソベスト)」を日本人の体形に合わせるとともに、住宅の施工現場で使いやすいように改良。着用するベストは、ガスの圧力でひじを支える構造になっていて、負担を軽減できるという。高い場所のビス打ちなど上向きの体勢に威力を発揮してくれると期待する。
さらには、天井ボードの貼り付けをするロボットの開発をめざす。作業員はタブレット端末によって、資材の運搬や固定する位置をロボットに指示するだけにしていく。2020年にも実用化する考えで、「最大7割の負担軽減につながる」(積水)という。
大和ハウス工業は4月、重い資材を持ち上げる時に腰にかかる負担をやわらげるため、アシストスーツを国内の9工場に導入した。今後、建設現場でも導入したいという。(中島嘉克)