草津白根山の本白根山にできた新たな噴火口(手前)。山肌がえぐれ、大きな亀裂が見える=29日午後1時43分、群馬県草津町、朝日新聞社ヘリから、鬼室黎撮影
気象庁は、草津白根山(群馬県)の噴火を受け、長い間活動が見られない火山の監視態勢を強化する方針を固めた。前兆や噴火を速やかにとらえ、登山客らへの情報提供につなげる。一方、噴火の予知は難しく、データを分析できる人材も限られる。普段からの注意喚起も課題だ。
【図解】草津白根山の噴火現場3Dマップ
草津白根山では、近年噴火を繰り返してきた北側に観測網が集中。5段階の「噴火警戒レベル」に応じた規制範囲も北側が中心だった。今回噴火した本白根山は南側で、監視カメラの対象から外れた「ノーマーク」で、気象庁が噴火を確認したのは1時間後だった。
こうした火口や火山は、樽前山(たるまえさん、北海道)の風不死岳(ふっぷしだけ)や、阿蘇山(熊本県)の中岳以外の旧火口など全国にある。異変に気付かないまま噴火する恐れもあるため、監視を拡大することにした。
おもな対象は、近年も噴火や火山活動があり、24時間態勢で監視している「常時観測火山」(50カ所)で、噴火の履歴や地質調査結果を改めて精査。小規模な噴火でも被害が出かねない観光地周辺など、新たに監視する火口の優先順位をつけ、カメラや地震計などを設置する。
常時観測火山を増やす検討も進…