神戸・三宮の繁華街にある指定暴力団神戸山口組傘下団体の事務所について、暴力団追放兵庫県民センターが使用禁止を求めていた仮処分申請は21日、神戸地裁で和解が成立した。同センターによると、傘下団体はすでに事務所から退去し、今後も使わないことを約束したという。
事務所は神戸市中央区のJR三ノ宮駅の北約200メートルにあり、神戸山口組の中核組織「山健組」の傘下団体が使っていた。付近の事業者や住民の委託を受け、同センターが昨年12月に仮処分を申請。弁護団によると、組側は1月に自主的に事務所を閉じたという。
兵庫県警によると、事務所はこれまで、みかじめ料(用心棒代)の徴収や縄張りの監視にあたる組員らが出入りし、山健組の資金獲得活動の拠点になってきたという。県警は繁華街での組員の活動は事務所の閉鎖後も続いているとみて、警戒を続けている。
同センターは昨年10月、神戸山口組の本部(兵庫県淡路市)についても使用禁止を求める仮処分を申請し、神戸地裁で認められた。県は新年度から、センターのこうした法的手続きを費用面で支援するため、「ふるさと納税」制度を活用し、500万円を目標に全国から寄付を募ることにしている。