大手旅行会社の説明を聞く学生たち=1日午前、東京都千代田区の法政大
来春に大学を卒業する学生向けの企業説明会が1日に解禁された。だが、多くの企業はインターンシップ(就業体験)などを通じて既に学生と接触をしている。解禁をめぐる指針が形骸化し、就職活動の長期化・前倒しが進むなか、学業への影響を懸念する声も上がっている。
法政大の市ケ谷キャンパス(東京都)では1日朝から、大手32社の説明会が開かれた。旅行大手の説明会に参加した3年の男性(21)は「第1志望は金融業界。自分のやりたい仕事ができるかを重視している」。就活は昨年の夏から始め、5社ほどでインターンもこなした。「就活の期間は長いと思う。でも短いと企業を決めきれないので、仕方がないかな」
経団連は「学業に専念する十分な時間を確保する」ため、説明会などの「広報活動」を3月1日、面接などの「選考活動」を6月1日からと定める。かつては倫理憲章で決めていたが、解禁を守らない企業も多く、2016年卒採用から拘束力の強い指針とした。この日程の前に実施するインターンシップも、「採用選考活動とは一切関係ない」ことを明示することも求める。
しかし、実態は異なる。人材業界志望の広島大3年の男性(21)は昨夏からインターンシップを始め、秋からは7社の「説明会兼選考会」に出席。東京での就活では新宿駅近くの「地方のミカタ就活カフェ」などを利用し、時にはゼミを休んででも、集団討論や面接に臨んできた。「別の業界で内定をもらった知人もいる。3月解禁を気にしたことはない」と話す。
新潟医療福祉大3年の男性(2…