ジャンプ女子のノーマルヒル決勝の2回目を終え、ガッツポーズを見せたルンビ=林敏行撮影
平昌五輪で、スキー王国ノルウェー勢の活躍が目立っている。23日時点でのメダル総数37個は、国・地域別でトップ。自国開催の1994年リレハンメル、前回2014年ソチの両大会で獲得した26個を上回り、同国の冬季史上最多数となっている。
平昌オリンピック 国別メダルランキング
ノルウェー五輪委員会の冬季競技責任者は「評価は大会後に行うが、大会前の準備と大会中の我々の仕事がうまくいっている。幸運もあったと思っている」。クラシカルとフリーの両走法で争う距離男子複合(30キロ)で、優勝のシメンヘグスタ・クリューゲル、2位マルティンヨンスル・スンビ、3位ハンスクリステル・ホルンと表彰台を独占するなど、伝統的に強い雪上競技で11個の金メダルを獲得した。
継続した取り組みが成果につながったようだ。この責任者によると、大きな特徴は「子供に特定のスポーツだけをやらせない」こと。スキーで言えば、北欧の気候から雪と自然に親しむ環境がある。子供たちは遊びの延長で冬季スポーツを始め、夏の競技を含め、成長する中で自分に合った競技を選択していく。
今大会は、そんな環境で育った若手も活躍した。例えば、スキージャンプ女子で高梨沙羅(クラレ)を破って同国初の同種目金メダルを獲得したマーレン・ルンビ(23)は、過去にサッカーもやっており、今でも趣味程度でプレーするという。初出場で距離男子個人スプリント・クラシカルなど三つの金メダルに輝いたヨハンネスヘスフロト・クレボ(21)も、幼い頃はプロサッカー選手になるのが夢だったが、「距離の方が潜在能力がある」と思い、距離選手を選んだと海外メディアに語っている。
閉会式がある25日には、今大会で冬季史上歴代最多メダル数を通算14個に更新したノルディックスキー距離の女王、37歳のマリット・ビョルゲンが距離女子30キロに出場する予定だ。(勝見壮史)