丸ごと入った梅大福=光市
梅の季節にだけ登場し、多いときは1日4千個も売れる和菓子がある。シロップ漬けの梅が丸ごと入った「梅大福」。100種約2千本の梅が咲き誇る山口県光市の冠山総合公園でしか買えない限定商品だ。梅大福だけを目当てにはるばる訪れるファンもいるらしい。
公園内にある売店「ひかり花館」。専用の陳列棚にはこんな注意書きが添えてある。
梅が丸ごと入っております。種に気を付けてお召し上がりください
1個130円。試しに買って食べてみた。
薄緑色の柔らかい皮、甘さ控えめのこしあん。シロップ漬けされた青梅のシャリシャリした食感とのバランスが絶妙だ。
「土日を中心に多い日は4千個以上。梅大福のみを求めて遠方から来園するリピーターのお客様もいるほどです」と担当者。
市観光協会によると、梅大福の販売が始まったのは2002年の梅まつりから。あんの上品な甘みと甘酸っぱい梅の組み合わせが好評で、一番人気の土産品として定着した。
製造しているのは田布施町の「田舎もち本舗たけした」。平日でさえ2600個ほども売れるといい、店と公園を車で何往復もして届けているという。
だが、ここまで売れる理由は店もよく分からないようだ。うららかな春の陽気とあいまって、「花より団子」ならぬ「梅より梅大福」を求めたくなるのか。「ありがたい限りです」とうれしい悲鳴をあげている。販売は11日まで。(三沢敦)